あかん、私を思い出しました
ヘッド養成コースは終了、研修に入ってます。
9月デビュー予定です。
キャンペーンを行う予定です。
よかったら是非、お越しくださいませ。
今日の研修中、私のデビュー間もない頃を思い出しました。
そのお客様とは少しおしゃべりをするぐらいのほどよい距離のあるお客様でした。
ヘッドマッサージは順調にすすみ、時間も手技も申し分ないと自画自賛しておりました。(たまにうぬぼれます)
又、お客様にことわってからですが、目の回りの眼精疲労を和らげるマッサージが入ります。
これは、みなさん気持ちいいと言ってくださり、心なしか目もスッキリはっきりぱっちりします。
腕の見せ所と、眉辺りからはじめます。
調子よくしてましたが、ギャーお客様の眉毛が2倍に育ってます。
一瞬、なにがおこったかわからず、身体中から汗がにじみ出ます。
「どういうこと?」
止まるわけにもいかず、手を止めずにしますが、西郷ドンと呼びたくなるほど立派な眉毛です。
泣きそうになります。
ふと、私の手を見ると指先が真っ黒です。
えーエーエーエー!
頭真っ白、眉毛真っ黒です。
理解したのは数秒後でした。
お客様が白髪隠しの、粉かスプレーを頭にされてたのです。
原因はわかりましたが、ここからが問題です。
この状況をお客様に伝えるべきか否かです。
お客様が気分を害しないか、恥ずかしい気持ちにさせないか。
手は止めれません。
一か八か。
「目がお疲れのようなんで少し、長めにしますね」
指先でなく指の腹で字を消す消しゴムのように黒いところをこすって消そうとしました。
薄くなってきました。
やった、やったと汗は引きませんががんばりました。
なんてこった。
こすりすぎて眉が赤いです。
私の責任です。
もぅ、終わりです。
汗ではなく涙がでそうです。
正直に言えばよかった、それでも時間がたてば赤みが引くかもしれないと、赤みをおびた原形がどんなだったかわからないボヤけた眉を見ながら、ヘッドマッサージをおこないました。
もぅ、2度とこのお客様の頭を触らせてもらえることはないだろうから、今生の別れのように誠心誠意、後で叱られてもそれでもスッキリしたと思ってもらいたくて、今、私にできる全ての力と思いを手にたくしました。
無情です。
終わりに近づいても赤い毛虫眉のまんまです。
もう、このまま続けたい、誤魔化したい私は少し、時間を延長しました。
自首するしかありません。
終わりを告げお客様を身体を起こし、さぁ懺悔の時間と口を開きかけた時、お客様が「いやぁ、ゴメンごめんなさい」と言ったのです。
何度も謝られるお客様。
ポカンと本当にアホの子のような私の顔をお客様が撫でたのです。
ふと、横の鏡を見ると薄汚れた泥棒のような顔の私がいました。
汗と涙を無意識に手で拭いていたのでしょう。
眉毛問題が吹っ飛ぶほどの顔です。
ドリフの爆発後です。
「すみません、眉毛が」
「いやぁ、ホンマこんなんツバでとれるけど、先生これから仕事?」
「なんとかなりますから、大丈夫です」
お客様が笑ってくれました。
もぅ、ホッとして泣きたいような笑いたいような困った顔に泥棒顔はなりました。
お客様には化粧おとしのシートを渡し、元の眉に戻って機嫌よく帰っていただきました。
お客様は今もお越しいただいてます。
本当にお客様に恵まれて今の私がいます。
研修を見ながらお客様に恵まれてほしいと祈りました。
思いだし笑いをこらえながらです。