私、奥床し です。
奥床し(おくゆかし)と読みます。
私、おくゆかしと書くと現代の意味では女性で上品控えめな様をさします。
誰ですか?お腹を抱えて笑っているのは。
『奥床し』は大和言葉にあります。
大和言葉は日本古来の言葉です。
一般には大陸から伝わった漢語や明治以降の外来語を除いた言葉です。
日本人が肌感覚で感じるような五感を呼び覚ます洒落た言葉がたくさんあり、とても惹かれ時々心の奥から出てきます。
前置きが長くなりました。
先日、流捨の施術中思わずでました。
『奥床し』意味は奥まで知りたいという意味です。
床しは、心が行きたい状態つまり「知りたい」ということです。
そのお客様はふくらはぎがカチカチでパンパンで触っても痛いからどうにかしてほしいとのことでした。
ご自分で触られても痛いのに私が触ってよいものかと思いながら、流捨は全身調整なので足裏から触っていきます。
「気持ちいい」何度も言われます。
さて、ふくらはぎです。
恐る恐る触るというより撫でていきます。
時間はかかりましたがいい感じにほぐれてきました。
やっと、普通くらいの柔らかさになった頃に。
「痛い!」
慌てて手を離すと「指つった」
「なに指ですか?」
「小指」
足指施術です。
おさまり、ふくらはぎへ。
「つった、人差し指」
又、足指施術。
ふくらはぎへ。
「薬指!」
何度やっても同じです。
ふくらはぎは気持ちいいとおっしゃるのに足指がつります。
時間に限りがあります。もちろんお客様にもこちらも納得して帰って頂くのが最低のラインと考えていますから少々の延長はよいのですが、これでは全身施術どころか改善のきざしすらありません。
うーん。泣きそうです。
ふくらはぎをやっても指がつるのきりがないので、後でもう一度施術とし、ももと腰にうつりました。
ももをしても指はつりません。
ももをほぐしてもふくらはぎの感触は同じです。
腰にうつりました。
腰、石が入ってるのかと思うほど重固いのです。
優しく優しくほぐしていきます。
いい感じでに柔らかさになりました。
個人的意見ですが、私の好きな柔らかさです。
さて、ふくらはぎに戻ります。
あれ、好きな柔らかさです。
違う人のふくらはぎのようです。
さっきよりこねるように施術です。
「先生、足指つりません」
そこからふくらはぎはもっといい感じでゆるみ、足指もこころなしか伸びています。
ここで心の声です「奥床し」
身体は不思議です。
ふくらはぎではなく下腿の不調は腰だったのです。
流捨を作り出したとき、全身を流して要らないものを捨てるで『流捨』と名付けました。
腰までですが、ふくらはぎに固執せずやっぱり身体はつながっているんだとおらためて思いました。
背中、肩、首、頭、と続いてすると、もっと身体がしっくりした位置に戻り、ゆるんでいきます。
好きな柔らかさです。
もっともっともっと身体のこと知りたい、
身体は面白いです。
『奥床し』いい言葉だと思いませんか?