*身旬堂*サマージュ季の便り

大阪市阿倍野区にあるゆるリラメンテ処「身旬堂」のブログです。予約状況やイベント、キャンペーン情報などのお知らせ、日々の出来事などをお伝えする場所です。HPはコチラ→http://shinsyundo.com/

なんかヒントちょうだい

今日のブログは電車の中でのお話です。

身旬堂からは少し離れてます。(しょっちゅうですが)

 

ゴールドジム向かう朝イチは電車で座っていきます。

ウトウトしていると、前に座ったご婦人二人の会話が気になって眠れません。

何度も霜降り明星粗品さんになり、手のひらを上に向けて心で叫んでおりました。

 

「こないだスズモトさんと遊びに行ったんやけど、ほれあそこに」

「あそこってどこ?」

「泊まりじゃなくて日帰りで」

「日帰り?」

「そぅ、日帰りでスズモトさんと」

「あー日帰りやったらあそこのことやな」

「そぅそぅ」

 

このへんはウトウトしてました。

 

「へぇーあそこよかった?」

「よかったよかった。スズモトさんもよかったってえらい喜んでくれてな」

「ふーん。あのさぁスズモトさんて去年死んでない?」

 

ここで私の耳がダンボに。

 

「えー、ほんなら私、誰と遊びに行ったん?」

「ほんまにスズモトさん?」

「スズモトさんなんで死んだん?」

「癌か心筋梗塞?」

 

『全然ちゃうやん。癌と心筋梗塞って、誰と遊びに行ったん?思い出して』寝てはおれません。

 

「お葬式行ったやん。暑い日で句会の人と?」

「スズモトさん、俳句来てた?」

ふくよかなご婦人がハムのような手を口に当てて。

「死んだんはスズキさんやったわ。ごめんごめん」

「やんなぁー。私、幽霊と滝見に行ったんかと思ったわ」

「あれ、スズキさんこないだ句会来てたわ。誰のお葬式行ったんやった?」

「去年のいつー?」

「暑いとき」

「暑いときはいっぱいお葬式あるから何月?」

「誰死んだかかもわからんのに何月かわかるわけないやん」

 

『ごもっともです』思わず参加しそうになりました。

 

「ほんでどこで乗り換えやった?」

「えっ、私、知らんし」

「え~と新今宮天王寺天下茶屋?」

 

『行き先を教えてくだされば私がお答えできます。せめて何電車に乗るかだけでも。そしてできるならどこに遊びに行ったのか。死んだのは誰なのか知りたいです』

 

「こんなときは小学校からあんただけが頼りやったやんか」

 

『おー、ここまでで確かな情報。句会に通っている小学校からの同級生』

 

「ほんまに元気でいててなぁ。どっこも行かれへんようになるから」

 

『いや、すでに今のままではどこにも着きませんけど。迷子になりますよ、電車走ってるから早く乗り換え考えんと』

 

「7月雨多かったから滝凄かった?」

 

『滝の見えるところ。結構あります。いやいや滝の話はこの際横においとこ、先に乗り換え、乗り換え』と私が焦ってどうするの?だけど焦ります。

 

「滝はよかったけど膝がなぁ」

「注射したんやろ」

「気休めにもならんわ。膝の痛さより注射が痛いねん」

「あのー、すみません」

私に喋りかけてきました。

 

 メチャ驚きました、が。

もぅ、待ってましたとばかりに満面の笑みで、やっと行き先がわかるかとワクワクです。

日帰りでどこ行ったかも、死んだのが誰で何月かもわかりませんがせめて乗り換えははっきりさせたい。

「はい」なんだかいつもより前のめりで優しい声の私。

 

「今、何時ですか?」

 

ハァー?質問違うやろ?よぅ考えてみてください。

いやいや、時間を聞いて私が感じよく答えたら次は行き先と乗り換えの質問がやってくると信じて。

丁寧いに「8時47分です」

「ありがとうございます」

 

椅子から転げ落ちるようになりました。

 

結局、何もわからないまま天王寺で降りられて行きました。

ふくよかなご婦人が同級生の膝をいたわるように、荷物を自然に持ってあげて手を引かれてました。

 

わからないことだらけの会話でしたが、同級生っていいなぁと思いました。

いい感じでしっかりしてなくて。

 

元気でいればいつまでもどこかに遊びに行けるのだから、改めて元気でいようと思うと同時に、友達の元気も願う朝でした。

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