元気な声
何か月ぶりかでお越しいただいたお客様は70才を過ぎても現役で働いておられます。
しばらく、ご多忙でした。
玄関を入られるなり、「ホント来たかっです」
うれしいお言葉です。
階段を上がられる足どりが重く見えます。
「調子どうですか?」
「ここがというのはないんだけど、夕方になると身体が地面から引っ張られてるみたいに重たい」
さっきの階段、『あーそうか』と思いました。
お身体にのっかてる小石をどけていくような作業がはじまります。
久しぶりなので石が身体にへばりついてるように感じます。
かと言って強く引き剥がすと、あとで問題がおこるような気がします。
回りから考古学者の発掘中のようにていねいにゆるめていきます。
「先生身体大丈夫ですか?」
「えっ?私ですか」
「そう、お休みもないようだしレッスンもあって、ブログもでしょ」
「がんばります」
「遊びにも行ってね」
「はい。○○さん週に何日働いておられます?」
「4日」
「3日まるまる休息日ではないですよね」
「その間にだんなの病院付き添って行く日があったり、なんだかんだ用事があって」
「それでご自分のケァが後回しになりますよね」
「そうそう。こないだも夜の10時半まで仕事で家、帰ったらグッタリ疲れて」
「……」
「それで又、来年お正月、元旦と3日仕事やねん」
お身体疲れて当たり前です。
70過ぎてその力はどこから湧いてくるのだろうと、こちらが不思議になります。
「腰、今までにない疲れ方ですが感じておられましたか?」
「あっ、そうそうめっちゃ痛いです」
「えっ?どこがどうってないけどって、おっしゃってませんでした?」
「そうそう」笑っておられます。
「先生、年とってくると日替り定食のように毎日違うとこが痛いのよ。で、慌てて起きて腰、痛いイテテ立ったらカカト痛い変な歩き方になったら、あっそうそう腰、痛かったんだって、痛い、忘れる痛い忘れるの繰返し」
大笑いして言われます。
張りのある声です。